火曜日, 12月 25

JST-DIISR: 「西オーストラリア州沿岸におけるミナミマグロ幼魚の回遊機構の解明」プロジェクトの事後評価


平成21年度から23年度まで、JST(科学技術振興機構)の支援を受けて、オーストラリアの友人と実施したプロジェクト(西オーストラリア州沿岸におけるミナミマグロ幼魚の回遊機構の解明)の事後評価の結果が出ました。事後評価の結果はこちらから。


評価はS、A、B、C、Fの5段階にて達成度を評価。達成度の評価基準は以下の通り。
S:研究の目標にてらして、極めて優れた成果が得られている(特筆すべきと評価ができる場合に相当する)
A:研究の目標にてらして、十分な成果が得られている(十分評価できる場合に相当する)
B:研究の目標にてらして、成果が得られている(おおむね評価できる場合に相当する)
C:研究の目標にてらして、成果がやや不足である
F:研究の目標にてらして、成果が得られていない



評価結果は、「A」。
過分な良い評価をして頂きました。
「S」とならなかったのは、まだ自分自身の伸びしろと考えることにします(笑)


10年来の友人であり、オーストラリア側のカウンターパート、Alistar Hobday博士とは過酷な調査も楽しく実施することができ、論文もある程度公表でき、非常に充実した研究プロジェクトとなりました。
ミナミマグロの現場での捕獲、受信機の設置と回収作業に尽力して頂いたGeoff Campbell氏とQuadrant号の働き者のクルーにはどのように感謝すればよいか言葉が思いつかないほどです。
ミナミマグロの標識放流作業の動画: Youtubeより)

研究プロジェクトにご支援頂いた科学技術振興機構に深くお礼申し上げます。

【このプロジェクトによる論文リスト】
1)Interannual variation in summer habitat utilization by juvenile southern bluefin tuna (Thunnus maccoyii) in southern Western Australia
KO FUJIOKA, AJ HOBDAY, RYO KAWABE, K MIYASHITA, K HONDA, T ITOH, Y TAKAO
Fisheries Oceanography 19 (3), 183-195
2) Spatial and temporal variation in the distribution of juvenile southern bluefin tuna Thunnus maccoyii: implication for precise estimation of recruitment abundance indices
K Fujioka, R Kawabe, AJ Hobday, Y Takao, K Miyashita, O Sakai, T Itoh
Fisheries Science 76 (3), 403-410
3) Departure behaviour of juvenile southern bluefin tuna (Thunnus maccoyii) from southern Western Australia temperate waters in relation to the Leeuwin Current
KO FUJIOKA, AJ HOBDAY, RYO KAWABE, K MIYASHITA, Y TAKAO, O SAKAI, T ITOH
Fisheries Oceanography(in press)


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水曜日, 12月 19

東シナ海環境資源保全プロジェクト/長崎大学


ずいぶん前ですが、環東シナ海環境資源研究センターの取り組みがTVQで放送されました。
TVQ九州放送「地球キャンパス~世界へfrom長崎~」(10月31日放送)

豊富な海洋資源に恵まれている一方で環境変動の激しい東シナ海。そこでの環境保全の取り組みについて、長崎大学水産・環境科学総合研究科附属環東シナ海環境資源研究センタ­ーの征矢野清センター長が語ります。

私も画像で登場しています。探してみて下さい。
台湾でのシイラのバイオロギングの画像も出てきますよ。



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金曜日, 12月 7

マツカワの産卵生態調査:北海道室蘭市


釧路でのタギングを終えて、次は室蘭市へ移動。
調査の概要は、ここを参照してください。

北海道は道南を中心に昨日今日と荒れ模様。
日本海を進んだ温帯低気圧が急速に発達して爆弾低気圧になりました。
北海道内は6日から7日にかけて、風速20m/sを超える風が吹き荒れて、台風のようでした。
JRは道南中心に運休する中、試験場の皆さんにはM上さんはじめ大変お世話になりました。



室蘭でのタギングは、栽培水産試験場で実施しました。
47個体のマツカワ親魚(一部未成魚含む)に記録計を取り付けました。多くの魚は、体のサイズから成熟しているかどうか判別できますが、微妙なサイズの魚にはまだ産卵しない若い魚が含まれているかもしれません。後で、困らないように採血して、血液検査をして、成熟している魚かどうか調べます。昨日は、標識の取り付けを終えた後、採取した血液を遠心分離して血漿として保存するところまで作業しました。









今日も長崎チームと北海道チームのすばらしい連携の元、無事に標識の取り付け作業が終わりました。夜は、室蘭名物「焼き鳥」で打ち上げ。したたか飲んで楽しい時間を過ごしました。

北海道の皆さん、お世話になりました。








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火曜日, 12月 4

マツカワの産卵生態調査:放流されるまで


昨日、タグを取り付けたマツカワです。
Youtubeに動画をアップしました。

海への放流は海況とお世話になる漁師さん次第なので、引き続き数日間水槽で過ごします。
早く、海へ戻してやりたいところですが。



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月曜日, 12月 3

マツカワの産卵生態調査:北海道釧路市


12月はここ2年ほど恒例のマツカワの産卵生態調査に来ています。
北海道で重要栽培対象種であるマツカワ(Verasper moseri)に深度・温度記録計を取り付けて海に放流して、産卵期の行動と生態を探る調査です。産卵直前の親魚が研究対象。

放流した魚が再捕獲されて放流から捕まるまでの記録が得られると…
産卵をどこでするのか?、産卵経路や産卵場の生息環境の好みなど、産卵生態に関する個体単位の詳細な情報が得られます。
マツカワは春から秋までは北海道太平洋の沿岸域に生息する魚ですが、産卵期直前の12月以降、忽然と姿を消し、翌年春までほとんど漁獲されなくなります。

深度記録からは、産卵魚の生息水深がわかります。また、カレイの仲間は1日の大半を海底で定着して過ごすので、深度記録からは魚がいる場所の潮の満ち引きが記録されます。潮の満ち引き(潮汐)は、魚の位置が変われば変化します。魚が記録した海洋の任意の点に固有の潮汐情報を利用して、潮汐モデリングからその位置を推定することができます。照度による測位より、精度は向上します。マグロでは使えないが、ヒラメやカレイの仲間には位置推定が可能な手法です。この方法によって、マツカワがどこで産卵しているか突き止めようというわけです。

今日は29個体のマツカワに記録計を取り付けました。多くの魚は、体のサイズから成熟しているかどうか判別できますが、微妙なサイズの魚にはまだ産卵しない若い魚が含まれているかもしれません。後で、困らないように採血して、血液検査をして、成熟している魚かどうか調べます。


マツカワへのタグの取り付け作業は、特に問題もなく終わりました。はじめてバイオロギング調査に参加したT山君、K松君も、先々週のヒラメ調査に引き続いて、N塚さんにノウハウを教えてもらいながら、10個体にデータロガーを取り付けました。


もっと寒いと思っていましたが、意外に今日は暖かく、作業も順調に進みました。今度は室蘭に移動して、再び標識取り付けです。



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