日曜日, 5月 25

先週月曜からタグ回収と海洋観測を鶴洋丸で。出港時は海況多少悪かったですが、なんとか壱岐・郷ノ浦まで。翌朝(火曜)朝から、1台目のタグが浮上予定で待ちました。待てど暮らせど、タグは浮上せず(つまり、衛星が電波を受信していないために位置情報が配信されない)、夕方浮上予定の2台目も浮上が確認できず。水曜日は海況が回復したために、タグの浮上を待ちながら、観測を先にする事に。五島北から対馬南の定線を観測して、その後、西側のラインへ。西側のラインも順調に観測を済ませて、その日は上五島の有川に錨泊。翌日はさらに西の定線を夕方まで観測して、再び壱岐郷ノ浦へ。最終日の金曜日。タイムリミットの15時まで郷ノ浦でタグの浮上を待ちましたが、浮上は確認できず。鶴洋丸での回収は諦めて、三重に帰港。

船の皆様には予定がなかなか決まらない航海の中、大変お世話になりました。しかし、なぜタグは浮上していないのだろうか?考えられる可能性を。

(1)衛星送信機の不良→魚にタグを取り付ける前に受信を確認しているので可能性は極めて低い。
(2)切り離し器の不良→これが一番怪しいかも知れない。2台使っているが、2台とも同じLOTで出ている。また、以前にも切り離しが作動せず、魚からケーブルタイが抜けて浮上した事があった。
(3)タグ取り付け時のミス→切り離し器は標識魚が確保できた段階で結線して結線部をエポキシで固める。結線部に問題はなかったか?

回収が可能になると、消耗品となる発信器等をのぞいてロガーは使い回しが可能となる点が利点。しかし、今回のように回収出来ないような事態になると全ての測器を失うので経済的な損害が大きいばかりでなく、ロガーを失う事でその後の調査も不可能になる。衛星送信機は海面浮上後に電源がONになるのだが、電波発信機は6月20日前後が電池のリミット。それまでに浮上してくれる事を祈るしかない。

魚に切り離し器を使う場合、標識魚が捕獲できた段階で結線するしかないので、タイマーの作動をマグネットスイッチで電源をONにできるのがベターであろう。(3)の事態は回避できる。

しばらく何とも言えない悶々とした日々が続く事になる。数週間以内で浮上してくれる事を祈るしかない。

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