月曜日, 6月 24

バショウカジキの行動調査:タギング・回収編

台湾で調査中のF川さんからは、「今日もカジキは捕れず…」の連絡が9日間続きました。ついに一昨日、2m13cmの状態の良いバショウカジキを捕獲。加速度ロガーと小型のビデオカメラが一体化された標識を取り付けて放流することに成功しました。場所は、台湾・台東県成功鎮の沖合あたり。

標識はあらかじめ設定したとおり、昨日の午前中にカジキから切り離されて浮上。標識が浮上した場所は、成功鎮から北東200km離れた花蓮県の沖合。黒潮に乗って魚はずいぶんと移動したようです。さてここから問題。花蓮県の漁港から漁船をチャーターして、現場海域に向かいます。現場海域まで3時間かかりました。それから標識から発せられる電波を頼りに握り拳大の海面を漂う標識を探します。

日没後、タイムアップ寸前にタグを発見!回収に成功しました。往路3時間でしたが、帰りは港まで7時間かかりました!!現場海域は時化。今日回収できないと、黒潮にのって日本の領海に入ってしまうところでした。エキサイティングな作業でした。

以上は、事後、F川君が報告してくれた内容です。私は日本でお留守番。しかし、漂流する標識は人工衛星に電波を送っていますので時々刻々の位置を知ることができます。昨夜、1時まで悶々とした時間を過ごしましたが、標識の位置が無事に漁港に着いたのを確認して安心しました(海から拾い上げられて、漁船とともに移動したことを示す)赤いラインがタグの軌跡。右上の頂点の箇所で回収されたんですね。もうちょっとで日本の領海です…(汗)

F川君、W辺君お疲れ様。




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土曜日, 6月 22

ヒラメの産卵回遊調査:福島県小名浜編

少し前になりますが、先々週は福島県小名浜にヒラメの回遊調査に行っておりました。今回もまたマツカワの調査に引き続いて、福島水試の皆さんにお世話になりました。福島水試に生きのいいヒラメを集めて頂き、深度・温度記録計を取り付けます。もう、何個体に取り付けたでしょうか…作業はスムーズに進みました。

ところが台風が日本列島に近づいており、翌日の放流作業のために船が出せるかどうか危ぶまれました。試験場の調査船拓水は無事に出港。この日はやや時化ていましたが(波高2m程度)、ヒラメがよく獲れる海域まで港から30分ほど走って、現場に到着。


現場に着いてから、K田さんが船の生け簀から慎重に一尾ずつ魚を取り上げて、船員さんら特製のかごを海面までおろして放流しました。風は強く、うねりもありましたが、無事に調査を終えることができました。たくさんの標識ヒラメが再び捕獲されて、データを取得できることを祈りたいと思います(今日までにすでに4個体再捕されています!順調なスタートです)






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木曜日, 6月 6

台湾:バショウカジキの行動調査

W辺君、F川君と台湾に出張中です。国立台湾大学(NTU)と行政院農業委員会水産試験所(FRI)と共同で台湾近海を回遊するバショウカジキを捕獲して、各種測器を取り付けて放流して、彼らの遊泳・摂餌行動様式を探る調査を実施します。
W辺君、F川君が2ヶ月ほどこちらでお世話になりますので、調査の打合せと関係各所にお願いにやってきました

昨日は基隆市のFRI本部を訪ねて、所長を表敬訪問しました。長崎大学とFRIは昨年に学術交流協定を締結しています。それ以来ですから、1年ぶりの訪問となりました。調査の説明とお願いをして、これまでにF川君が公表した論文を手渡し、なごやかな懇談となりました。水産試験所の調査船を少し見せてもらいました(水試1号)。古いですが、3千トン有ります。でかいです。

夕方、FRIの共同研究者であるRiyarさんに龍山寺に連れて行ってもらいました。大変立派なお寺でした。

















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月曜日, 6月 3

ヒラメの産卵回遊調査:東北太平洋(仙台湾編)

宮城県塩釜市にヒラメの回遊生態調査に来ています。
バイオロギングを用いた行動追跡です。

宮城県は漁業が再開してきています。先週、刺網漁をしている漁業者さんにお願いして、ヒラメを集めてもらいました。そして、土曜日まで東北水研でヒラメを畜養して、データロガーを取り付けました。

日曜日に水研から塩釜港までロガーを取り付けた魚を運び、港で用船した漁船に魚を載せて、仙台湾に向けて港を出発です。
塩釜港を出ると松島の景色がすばらしいのですが、この日は時化ており、行きはあまり余裕もありませんでした。この時期、ヒラメがよく獲れる海域まで港から1時間ほど走って、現場に到着。


現場に着いてから、K田さんが船の生け簀から慎重に一尾ずつ魚を取り上げて、大学院生のN塚君が海面から放流しました。放流されたヒラメは海底に向けて自由落下していくようにまっすぐ落ちていきました。風は強く、うねりもありましたが、無事に調査を終えることができました。たくさんの標識ヒラメが再び捕獲されて、データを取得できることを祈りたいと思います。


帰りは松島の景色を海から眺めることができました。
塩釜港では、小底船や刺網船が入港して水揚げがされていました。
浜が早く復興することを願わずに折れません


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