火曜日, 12月 31

2013年が終わる

というタイトルのポストであふれているのだろうと思う(笑)
生来、あまり今年どうだったとか振り返ることがない。今、12月31日の時点で考えていることは来月(来年)、どう乗り切りかということ。乗り切れたか、スタックしたかは、1ヶ月後に判明しているだろう(苦笑)

このブログを始めてなどと私の同僚(Greg)も書いているので、少し触れてみようと思う。初めてポストしたのが、2006年5月だった(らしい…調べてわかった)。もう、7年になるのかと、過ぎるのは早い。ある意味、自分の死期すら感ずるほど、残酷なほど時が過ぎるのは早い(笑)今年はとうとう、ポストした回数が20回に達しなかった。月一ペースだったようだ(人ごとのよう…)。にもかかわらず、こんなブログを定期的にチラ見してくださるヒトもおられたようで、本当に申し訳ないことです。振りかえると数年前までは、「ラーメンブログ」かと見紛うほど、つけ麺の画像であふれていた(苦笑)自由な空気もそれなりにあった。なんかこう、前ほどブログにフットワークの軽さが失せたと感じるのは私だけだろうか??なんとなくちょっとずつポストするのが億劫になり、オフィシャルなイベントをアップするだけの、なんだろう、単なる我が研究室と所属組織の掲示板以下に成り下がってしまったようだ。週に2,3回のペースが月一とは…

これほどポストが減った要因の一つは、FBの存在だ。不特定多数でなく、特定多数の人たちに週に一回以上は、どこに調査に来ているだの、息子たちとどこで遊んでいるだの、相変わらずどんなつけ麺を食った(笑)だの、それは以前にブログにポストしていたペースとそう変わらない。顔の見えない、このブログに訪問してくれる方に対して、何を発信すればいいのか、よくわからなくなってしまったのが、私の中で葛藤としてある(そんな大層に考えなくてもいいのかもしれないが)。いっそのこと、このブログを閉鎖しようかとなどか思ったりもした。今は思いとどまっているわけではないのだが、「せっかく始めて、7年も続けたし…」という気持ちがあることは否定しない。今もどうしようか考えがまとまらず書いているのだが(汗)、このブログをどうするか、決められない。しかも、立ち位置もあやふやなので、このままでは自然消滅の可能性もある。さて、どうしようか…

ここまで書いてみて思ったことは、時々(毎日は無理だけれど、月一以上はしたい)、こういったエッセイ的な文章をだらだらと発信してもいいかと思いました(なんと、いい加減な)。広くなんとなく研究に関係のあること、まあないことでもいかもしれない。実は、FBの方では、ある人に「○○さんの書き込みの長さに圧倒されます」と言われました。FBはあんまり長いのはあかんのかなぁ~とそれ以来、少し気になっています…苦笑
それなら、ブログの方で、自由に思うところを書いてみようかと、そう以前のように。と思った次第です。というわけでもう少し続けてみることにしましたので、お付き合いください。

風邪気味の大晦日、仕事も終わらず…現実逃避(字余り)


↓応援してください。
人気ブログランキングへ

水曜日, 11月 6

クロマグロとシイラの鉛直遊泳行動を比較した論文:Fisheries Research

クロマグロの産卵期は3-5月。沖縄周辺で産み出された卵や仔魚は、黒潮によって日本列島に運ばれます。幼魚は生まれて最初の冬を東シナ海で越します。翌春、水温の上昇に伴い、1歳になった幼魚はやがて東シナ海を離れ、日本海を北上あるいは日本列島の南岸を黒潮と伴に東進します。

クロマグロは幼魚といえども生態系の頂点あたりに君臨する捕食者です。捕食者はクロマグロだけでなく、他の魚たちもいます。5月に水温が上昇すると東シナ海には南から亜熱帯性の捕食者が北上回遊してきます。その代表がシイラ。5月中旬から6月にかけて、クロマグロとシイラの生息可能水温が東シナ海北部で重複します。彼らの海の中のハビタットも重複しているのでしょうか?
本研究では、シイラとクロマグロに同時にデータロガーを取り付けて、彼らの鉛直方向のハビタットがどのような構成になっているかを調べました。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0165783613002142

論文は、Fisheries Researchという雑誌に掲載されます。

シイラはごく表層だけを遊泳していました。ほとんど潜らず、経験水温が20℃を下回ることはまれでした。一方、クロマグロは海表面にも出現しますが、水深30-50mを中心に分布して、時折150m辺りまで潜っていました(東シナ海は大陸棚なので、海底付近まで潜行していたことになります)。深さ方向の水温を観察してみると、30-60mあたりに水温躍層が形成されてはじめており、クロマグロはその直上を遊泳し、時折、躍層下に潜っていました。シイラは水温躍層内部あるいは下部に潜行することはほとんどありませんでした。
5月下旬の対馬海峡あたりでは、海表面あたりにはシイラがもっぱら生息しており、クロマグロはそれより少し深めの水深を泳いでいることがわかりました。対馬海峡では、クロマグロを狙った浮延縄漁業が盛んですが、漁業者たちは「シイラがやってくるとクロマグロが捕れなくなる」と言います。これは両種の水温選好性の違いによる、鉛直方向のハビタットの違いによるものだといえます。



↓応援してよ。
人気ブログランキングへ

火曜日, 9月 17

マツカワ産卵生態プロジェクト

私が今取り組んでいるマツカワの産卵生態解明プロジェクトがわかりやすく紹介されています。
http://www.youtube.com/watch?v=UuzfQrVzlGo&sns=fb
(北海道総研ランチタイムセミナーより)

このプロジェクトは、
長崎大学
(地独)北海道総研水産研究本部(北海道水試)
(独)水産総合研究センター北海道区水産研究所
福島県水産試験場
全国豊かな海づくり推進協会
とともに進めています。

絶滅寸前まで数を減らしたカレイの仲間であるマツカワ(Verasper moseri)。近年、栽培事業による種苗放流がうまくいき資源は右肩上がりで回復傾向ですが、天然での産卵生態が不明なために天然での再生産を促すための施策が打てないのが現在の課題です。
本プロジェクトではダイナミックとは無縁と思えるカレイの仲間が繰り広げる不思議な産卵生態が次々と明らかになりつつあります。

なぜかあの人(わかる人にだけわかる)が私の仕事を紹介して下さっていますwww
お楽しみ下さい。


↓応援してください。
人気ブログランキングへ

月曜日, 9月 2

長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科 5年一貫制 博士課程 「海洋フィールド生命科学専攻」 入試説明会

長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科
5年一貫制 博士課程
「海洋フィールド生命科学専攻」
入試説明会

および

長崎大学海洋環境科学情報発信シリーズ
「海と地球と人と」 第4回東京セミナー

研究者を目指す大学生の向けセミナー
「めざせ、海洋フィールド研究者」 

主催:長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科

日時:2013年10月5日(土)13:30〜16:00
会場:カフェみねるばの森(長崎大学東京事務所)
東京都千代田区九段北1-9-17 寺島文庫ビル1F
03-6268-9116
*会場が変更になる場合は、申込者に事前連絡いたします。

 長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科は水産学部と環境科学部を基礎学部とする大学院です。本研究科には海洋・水産・環境分野の研究者を養成するための5年一貫制博士課程(博士前期課程(修士課程)と博士後期課程が一体となった課程)として「海洋フィールド生命科学専攻」があります。本説明会は、この専攻の目的・特徴・入試方法を説明するとともに、海洋・水産・環境分野の研究者の必要性や役割について紹介します。
 海洋フィールド生命科学専攻は、海洋や河川、またそれらと関連した陸域へ自ら足を運び調査研究を行うとともに、そこで得られた資料やデータを高度に解析することのできるフィールド科学研究者を育てるための教育プログラムです。
 本専攻の特徴は、
1)日本にとって最も重要な海洋資源の供給場所である東シナ海をモデルとした研究を行う、
2)年間60万円の研究奨励金を支給する(研究者になった場合は返済義務なし)、
3)半年間の海外留学を必修カリキュラムとして行う(渡航経費は大学が支給する)、
4)海外から一流の研究者を招聘し、英語による授業を行う、
5)海外の研究者・学生と共同でセミナーや研究を実施する、
などです。
 このような教育および学生支援システムによって、国際的な研究者を育成します。
また今回の説明会では、大学院入試の説明に先立ち、「めざせ、海洋フィールド研究者」と題した、セミナーを行い、現在実施されている最先端の海洋・水産・環境分野における生態・行動・生理・分子生物・海洋化学・海洋物理学などの情報と、現在在学中の学生が取り組んでいる研究を紹介します。

入試説明会に関する参加申し込みの詳細については下記を参照ください。

申込期間:2013年9月27日(金曜日)まで。

申込方法:インターネットによる申し込み。説明会・セミナーの詳細につきましては、随時HPで情報を提供するとともに、参加を申し込まれた方にはメールで連絡させていただきます。

申し込みぺージ
http://mg.jimu.nagasaki-u.ac.jp/smart/eq.asp?U=5000008003005045120

環東シナ海センターHPの関連URL
http://www-mri.fish.nagasaki-u.ac.jp/

環東シナ海センターフェイスブック
https://www.facebook.com/nu.oceanicfield

長崎大学HPの関連URL
http://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/about/info/event/event299.html

↓応援してください。
人気ブログランキングへ


追伸
営業向けのポストばかりでいかんな。
研究のネタもあげないと…汗

土曜日, 7月 20

長崎大学オープンキャンパス@環東シナ海センター

今日は土曜日ですが、オープンキャンパスを開催するので出動しました。
昨年からG先生と新しいネタで挑むことにしました。
題して「海の生物はどのように水を攪拌しているか?」。

全体説明の後、文教キャンパスからセンターまで急いで移動して、早速、G先生お手製のアクリル製の直線水路にゴンズイを泳がせて実験開始。長崎、佐賀からの高校生3名(男子)の参加でした。













群れをなして魚が泳ぐ水槽に水の流れを可視化するトレーサーを流して、魚群がどのように水を攪拌するか確かめました。魚が言うことを聞かずに困るG先生。









流れを可視化するために墨汁を水槽内に入れます。ゴンズイが泳ぐと、渦がたくさんできてあっというまに墨汁は拡散していきます。

時間が短くてごめんなさい。もしブログを見ていたら、質問があればメール下さい。
今日はどうもありがとう!








↓応援してください。
人気ブログランキングへ

月曜日, 6月 24

バショウカジキの行動調査:タギング・回収編

台湾で調査中のF川さんからは、「今日もカジキは捕れず…」の連絡が9日間続きました。ついに一昨日、2m13cmの状態の良いバショウカジキを捕獲。加速度ロガーと小型のビデオカメラが一体化された標識を取り付けて放流することに成功しました。場所は、台湾・台東県成功鎮の沖合あたり。

標識はあらかじめ設定したとおり、昨日の午前中にカジキから切り離されて浮上。標識が浮上した場所は、成功鎮から北東200km離れた花蓮県の沖合。黒潮に乗って魚はずいぶんと移動したようです。さてここから問題。花蓮県の漁港から漁船をチャーターして、現場海域に向かいます。現場海域まで3時間かかりました。それから標識から発せられる電波を頼りに握り拳大の海面を漂う標識を探します。

日没後、タイムアップ寸前にタグを発見!回収に成功しました。往路3時間でしたが、帰りは港まで7時間かかりました!!現場海域は時化。今日回収できないと、黒潮にのって日本の領海に入ってしまうところでした。エキサイティングな作業でした。

以上は、事後、F川君が報告してくれた内容です。私は日本でお留守番。しかし、漂流する標識は人工衛星に電波を送っていますので時々刻々の位置を知ることができます。昨夜、1時まで悶々とした時間を過ごしましたが、標識の位置が無事に漁港に着いたのを確認して安心しました(海から拾い上げられて、漁船とともに移動したことを示す)赤いラインがタグの軌跡。右上の頂点の箇所で回収されたんですね。もうちょっとで日本の領海です…(汗)

F川君、W辺君お疲れ様。




↓応援してください。
人気ブログランキングへ

土曜日, 6月 22

ヒラメの産卵回遊調査:福島県小名浜編

少し前になりますが、先々週は福島県小名浜にヒラメの回遊調査に行っておりました。今回もまたマツカワの調査に引き続いて、福島水試の皆さんにお世話になりました。福島水試に生きのいいヒラメを集めて頂き、深度・温度記録計を取り付けます。もう、何個体に取り付けたでしょうか…作業はスムーズに進みました。

ところが台風が日本列島に近づいており、翌日の放流作業のために船が出せるかどうか危ぶまれました。試験場の調査船拓水は無事に出港。この日はやや時化ていましたが(波高2m程度)、ヒラメがよく獲れる海域まで港から30分ほど走って、現場に到着。


現場に着いてから、K田さんが船の生け簀から慎重に一尾ずつ魚を取り上げて、船員さんら特製のかごを海面までおろして放流しました。風は強く、うねりもありましたが、無事に調査を終えることができました。たくさんの標識ヒラメが再び捕獲されて、データを取得できることを祈りたいと思います(今日までにすでに4個体再捕されています!順調なスタートです)






↓応援してください。
人気ブログランキングへ

木曜日, 6月 6

台湾:バショウカジキの行動調査

W辺君、F川君と台湾に出張中です。国立台湾大学(NTU)と行政院農業委員会水産試験所(FRI)と共同で台湾近海を回遊するバショウカジキを捕獲して、各種測器を取り付けて放流して、彼らの遊泳・摂餌行動様式を探る調査を実施します。
W辺君、F川君が2ヶ月ほどこちらでお世話になりますので、調査の打合せと関係各所にお願いにやってきました

昨日は基隆市のFRI本部を訪ねて、所長を表敬訪問しました。長崎大学とFRIは昨年に学術交流協定を締結しています。それ以来ですから、1年ぶりの訪問となりました。調査の説明とお願いをして、これまでにF川君が公表した論文を手渡し、なごやかな懇談となりました。水産試験所の調査船を少し見せてもらいました(水試1号)。古いですが、3千トン有ります。でかいです。

夕方、FRIの共同研究者であるRiyarさんに龍山寺に連れて行ってもらいました。大変立派なお寺でした。

















↓応援してください。
人気ブログランキングへ

月曜日, 6月 3

ヒラメの産卵回遊調査:東北太平洋(仙台湾編)

宮城県塩釜市にヒラメの回遊生態調査に来ています。
バイオロギングを用いた行動追跡です。

宮城県は漁業が再開してきています。先週、刺網漁をしている漁業者さんにお願いして、ヒラメを集めてもらいました。そして、土曜日まで東北水研でヒラメを畜養して、データロガーを取り付けました。

日曜日に水研から塩釜港までロガーを取り付けた魚を運び、港で用船した漁船に魚を載せて、仙台湾に向けて港を出発です。
塩釜港を出ると松島の景色がすばらしいのですが、この日は時化ており、行きはあまり余裕もありませんでした。この時期、ヒラメがよく獲れる海域まで港から1時間ほど走って、現場に到着。


現場に着いてから、K田さんが船の生け簀から慎重に一尾ずつ魚を取り上げて、大学院生のN塚君が海面から放流しました。放流されたヒラメは海底に向けて自由落下していくようにまっすぐ落ちていきました。風は強く、うねりもありましたが、無事に調査を終えることができました。たくさんの標識ヒラメが再び捕獲されて、データを取得できることを祈りたいと思います。


帰りは松島の景色を海から眺めることができました。
塩釜港では、小底船や刺網船が入港して水揚げがされていました。
浜が早く復興することを願わずに折れません


↓応援してください。
人気ブログランキングへ

水曜日, 5月 15

海洋生産管理学実験Ⅰ:データロガーで遊泳速度を測定


月曜と火曜は、2年生の海洋生産管理学コースの学生さん相手に実験をやりました。加速度を測定できるロガーを魚に取り付けて、尾びれの振動数を測定、モデルから遊泳速度を推定してみようという実験です。初日は、魚類の遊泳運動についての講義をやってから、ロガーを設定し、魚に取り付ける準備をして、装着作業をやりました。例年、ロガーは外部に装着していたのですが、今年はお腹を切開して小型の加速度ロガーを腹腔内に挿入して縫合し、腹腔内温度と加速度の両方の記録に挑戦してみました。もちろん、学生さんたちは生きた魚にロガーを取り付けるのも麻酔をするのも初めての作業。キャーキャー、わーわー、いいながら楽しんで進めてもらえました。(上の画像では、マダイに麻酔を施している最中です!)
魚は、ブリ・ヒラメ・マダイを使いました。各班ごとに好きな魚で実験してもらいました。

ロガーをつけた魚を大型の水槽に放し、1昼夜、行動を測定しました。翌日、今度は標識を取り付けた魚を水槽から取り上げて、ロガーを外し、データの読み出し作業。ブリはもちろん良く泳いでいましたが、ヒラメもマダイもなかなか興味深いデータを取得できました。

再来週の火曜日に今度は解析作業です!

学生の皆さん、お疲れ様でした。
実験のアシスタントをしてくれた、F川さん、W辺さん、K野さん、H君、K君、どうもありがとう。


↓応援してください。
人気ブログランキングへ

月曜日, 4月 22

流れ藻・藻場モニタリング調査(五島灘・天草灘):練習船鶴洋丸にて



先週はG研、K端研と合同で五島灘・天草灘で流れ藻と藻場の調査に行きました。
ほぼ10ヶ月ぶりの鶴洋丸航海です。天候はあまり良くなく時化ることも予想されました。

初日(16日):まず天草灘へ。G研の藻場調査のために沿岸に測器を設置。これは金曜日に回収します。その後、K端研が先々週に海に放流(?)した流れ藻モニタリング装置(右の画像)の回収作業。1台は衛星送信機が不良のようで、位置情報を通報しなくなっていたので一刻の猶予無く探索の必要がありましたが、無事に予定の2台を回収。

2日目(17日):H谷川君の流れ藻採集調査。彼がおなかいっぱいなるほど、たくさんのサンプルを集めることができましたwwもじゃこ(ブリの稚魚)も多数採集できました(画像)。もじゃこはサイズにバリエーションがありなかなか興味深い。それ以外にもハナオコゼなど多数採集できました。
夜の調査ではトラブル発生。潮流が速く、ノルパックネットが船底から船尾方向に引き込まれて、船のプロペラに絡まってしまいました。幸い、鶴洋丸は2軸なので、1軸で沿岸まで戻り、この夜は錨泊となりました。

3日目(18日):朝から、ペラに絡まったネットを外す作業。K端さん、Gさんが潜水し、あっというまに外せました。幸い、運航には支障なさそうとのことで、この日は残りの2台の流れ藻モニタリング装置を回収作業。五島灘を北上する装置をあっというまに回収できました。装置には、各種測器の他に動画カメラ(GoPro)とデジカメが搭載されていますので、漂流する流れ藻に蝟集する魚を映像に納めています。面白い画像が撮れてこれがなかなか興味深い!

4日目(19日):朝からG研の測器を回収して、予定を1日早めて帰港となりました。



鶴洋丸の皆さん、お世話になりました。


↓応援してください。
人気ブログランキングへ

木曜日, 3月 21

マツカワの産卵生態調査:福島県いわき市

忙しくてアップが遅れました。3月5~7日の日記です。

福島県小名浜にてマツカワの回遊生態調査。
調査の概要は、ここを参照してください。

福島県は放射線被害により全県で漁業が停止中。
調査に使う魚は、沖合底曳網漁船を傭船して、この時期にマツカワがいそうな常磐の沖合で調査のために操業してもらい、集めました。また、漁業が行われている茨城県の漁協に協力してもらい、魚を集めてもらいました。個体数は少ないですが(10個体)無事に放流作業を終えました。

福島水試の皆さんにはS藤さん、W田さんをはじめ大変お世話になりました。
















翌朝、小名浜港まで魚を運び、福島水試の調査船「こたか丸」に魚を積み込みました(写真中央に見えているキャンバス地の立方体が魚を入れる水槽です)。放流作業は、福島水試の皆さんにお任せして無事に終了。


今日も長崎チームと北海道・福島チームのすばらしい連携の元、今年度も無事に標識の取り付け作業が終わりました。来月以降、北海道での再捕報告を待つことにしましょう!

皆さん、お世話になりました。








↓応援してください。
人気ブログランキングへ

木曜日, 2月 21

本が出ました!:漁業資源の繁殖特性研究-飼育実験とバイオロギングの活用





水産物の需要が高まるなか漁業資源の持続的利用は急務である。これまで生態研究は野外採集調査が中心だったが、昨今注目を集めるのが飼育実験やバイオロギング技術の活用だ。これらを併用・比較することで個体の繁殖特性や繁殖生態の環境応答といったこれまでの弱点を補えるかを検証し、新しい研究の創出をめざした意欲作。
(2013年3月中旬刊行予定)




<水産学シリーズ175>
漁業資源の繁殖特性研究-飼育実験とバイオロギングの活用-
が発刊されます。

 3,780円のところ、著者割で3,000円で事前予約できます。
 下記に情報を記載しますので、お近くの著者の方にお申
 込み頂ければ幸いです。
 よろしくお願い致します。

http://www.kouseisha.com/02_fisheries/1298_9.html

編者 : 栗田 豊・河邊 玲・松山倫也 編
ISBNコード : 978-4-7699-1298-9
サイズ : A5判/並製/150頁
定価 : 3,780円(本体3,600円)
発行年月日 : 2013年3月15日

目次:
まえがき
I.繁殖特性パラメータとその活用
1章 繁殖特性パラメータの資源評価への活用(渡邊千夏子)
2章 繁殖特性パラメータの生活史モデルへの活用(伊藤進一)
II.飼育実験とバイオロギングによる繁殖特性研究法
3章 飼育実験を用いた繁殖特性研究(松山倫也)
4章 バイオロギングを用いた繁殖に関連する行動研究(河邊 玲)
III.飼育実験による繁殖特性研究例
5章 ヒラメ産卵形質の出現持続時間と水温の関係(栗田 豊)
6章 カタクチイワシの成熟・産卵量調節機構(米田道夫・北野 載)
7章 飼育下におけるサンマの産卵生態(巣山 哲)
IV.バイオロギングによる繁殖に関連する行動研究例
8章 産卵期におけるヒラメの遊泳行動(安田十也)
9章 ブリの回遊パターンと産卵場の推定(井野慎吾)
10章 マダイのエネルギー収支(光永 靖・安田十也)
用語解説






↓応援してください。
人気ブログランキングへ

金曜日, 2月 8

東シナ海におけるマグロ類の回遊行動シンポ



「環境変動がマグロ・カジキ類の回遊行動に及ぼす影響に関するワークショップ」を開催します。
直前のご連絡になりましたが、参加を歓迎しますので(参加料無料、登録必要なし)、興味のある方はお越し頂けると幸いです。


主催:長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科「特別経費プロジェクト:安全な海洋生物資源の利用に向けた学際的フィールド研究の国際展開:東シナ海をモデルとした生態系の健全性の診断と監視」
会場:長崎大学水産学部 1F 第一講義室
日時:平成25年2月9日(土)

開催趣旨:
すでに顕在化しつつある地球環境変化に対して、水圏を高度に利用する人類にとって海洋生物がどのように応答するのかを精査することは21世紀の科学にとって最も重要な課題の一つである。
例えば、北太平洋においては、低気圧の通過や台風の発生と移動など気象現象による湧昇が生物生産を高めているという観測例が報告され始めた。環境変動によって、これら生物生産の高い海域に高次捕食動物が偏って分布する可能性も示唆されている。このような環境や生態系の変化に適切に対処していくためには,変化の実態をたえず監視していくことが重要となる。
本ワークショップでは、東シナ海・太平洋を中心にマグロ類とカジキ類の遊泳行動に関する最近の話題を取り上げ、最新のバイオロギングとデータ解析手法を駆使した成果をレビューしながら、新しい研究展開に必要な諸条件の抽出を試み、今後の研究の方向性を探ることを目的とする。

【午前:10:30-12:00】
1.開催趣旨説明 河邊 玲(長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科) 10:30-10:40
2.Habitat and behavior of sailfish in East China Sea determined using pop-up satellite archival tags 10:40-11:20
Wei-Chuan Chiang(台湾水産試験所東部海洋生物研究センター)
3.温帯域に生息するマグロ類の幼魚期の回遊行動 11:20-12:00
藤岡 紘((独)水産総合研究センター国際水産研究所)
昼食・休憩 12:00-13:30
【午後:13:30-16:30】
4.クロマグロの遊泳力学と移動方法 13:30-14:10
高木 力(近畿大学農学部)
5.加速度データロガーおよびアーカイバルタグで記録されたシイラとクロマグロの鉛直遊泳行動 14:10-14:50
古川 誠志郎(長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科)
コーヒーブレーク 14:50-15:10
6.数理的視点による魚類行動の分析方法 15:10-15:50
門田 実(近畿大学農学部)
7.総合討論 15:50-16:20
8.閉会の挨拶   河邊 玲



↓応援してください。
人気ブログランキングへ

木曜日, 1月 10

マダラの標識放流調査:宮城・石巻


石巻市にマダラの回遊生態調査に来ています。
バイオロギングを用いた行動追跡です。


早暁から石巻市鮎川から定置網漁船に乗り込み、金華山周辺の定置網で網おこし。
産卵で接岸したマダラにバイオロギングしています。
マダラは深場に生息する魚ですが、深深度から漁獲や釣りあげると、鰾(うきぶくろ)の圧調節ができずに、死んでしまいます。産卵に接岸する時期に定置網で捕獲される上に、水深40-50mから取り上げるのでなんとかなるかと思ってやってきたわけです。
ふてぶてしい面構えで、野武士の趣ですが、やはり70-80%は網おこしによる急浮上で海面をぷかぷかと泳ぐ有様。なかなか難儀しています。
しかも、この時期の三陸の洋上は骨身に堪える極寒です。
それでも11個体に取り付けて放流できました。

データロガーは水深と温度を5秒間隔で2年間記録します。
マダラは深浅移動は知られていますが、東北海域をどのように南北回遊するのかは未解明です。

我々の研究チームにとってもマダラは初めて手がける魚で、現場で様々な臨機応変の対応が求められましたが、なんとかクリアしながら進めました。さて、明朝も再トライです。

東北水研八戸支所と宮城水産技術総合センターと共同で進めている調査です。












↓応援してください。
人気ブログランキングへ