木曜日, 1月 22

昨年末に大村湾から行動記録計を天然ヒラメ成魚に取り付けて、海に放し、行動調査を始めました。これから3月にかけて、長崎近海ではヒラメの産卵盛期を迎えますが、ほとんど海底で過ごすヒラメが、どのような遊泳活動リズムを示し、どの程度の行動圏を持つかを調べることが今回の調査目的の主要なところです。

漁獲されたヒラメを漁協で一時ストックしてもらって、数がそろったところで、予定数の魚に記録計を取り付けます。取り付け時には、体サイズを測定することに加えて、体のコンディションを推定するために、他の測定も実施。雌個体からはカニュレーションによって、卵巣から卵細胞をサンプリングして、卵細胞の発達ステージと卵径などを計測します。これで、産卵開始の有無や、すでに産卵中の個体であれば、前回の産卵と次回の産卵時刻の予測が可能となります(ヒラメは多回産卵魚:1-2日間隔で2ヶ月以上の間の放卵を繰り返す)。このような副次的な情報の収集によって、体のコンディションが行動特性にどのような影響が及ぶかを検討できます。そのほかに採血もします。

記録計取り付け時の動画をアップしておきましょう。どうぞご覧ください。排出口から卵細胞を採取して、採血して、記録計を取り付けています。この間、2分強くらいでしょうか。実験個体には麻酔を施しています。記録計を取り付けた後は、薬浴のために水槽に移して、しばらくしてから漁船で標識個体を沖合まで運んで、海面から放流します。今日までで、2個体が再捕されています。






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