月曜日, 3月 12


昨晩、対馬に到着して、宿で夜遅くまで今日の実験の打ち合わせと準備をしました。

美津島町今里の漁師のY村さんにお世話になって、畜養中のクロマグロ未成魚で行動実験を行いました。マグロは紡錘形の形状と筋肉の生理学的特性から、高速遊泳に特化した魚です。マグロの遊泳性能と特に胸鰭の動きの関係を検討するために、胸鰭の動きを測定するロガーを開発しました。その性能試験をやってみようというわけです。

マグロはハンドリングに弱いため、ロガーなどを取り付けるを短時間で終わらせる必要があります。しかし、今回開発したロガーは体にロガーを取り付けるとともに鰭付近にセンサーも取り付ける必要があり、手術時間はこれまでのロガーだけを取り付ける場合に比べて長くなってしまいます。そこでまず、午前中は取り付け時間短縮のために、ブリで取り付けの練習と想定している方法で鰭の動きが計測できるかどうかを確認しました。取り付け時間は想定していたより短時間で済みましたが、わずか1時間ほどの遊泳で鰭に取り付けたセンサーが脱落してしまい改善の必要がありました。



午後、取り付け方法にいくつかの改善を加えて、いよいよクロマグロでテストしました。47cmと83cmのクロマグロにロガーを取り付けて、生け簀の中に放しました。装着時間は7分ほどかかりましたが、酸欠を抑えるための口腔から鰓へ海水を流し入れて、それほどダメージは見られないようでした。生け簀に放す瞬間はドキドキしましたが、数分後、マグロは回復して悠々と泳ぎ始めました。それから数10分間、観察を続けましたが、死ぬようなことはありませんでした。明日の午後までデータを記録し続けます。明日まで鰭に取り付けたセンサーが外れないことを祈るばかりです。

夕方、高浜漁協を訪問。いつも標識放流でお世話になっているK場さんから最近のクロマグロの漁模様について教えて頂き、明後日に予定している調査について相談しました。1-3月まで漁模様は芳しくないとのことでした。明朝の水揚げ状況をみつつ、明後日の調査の可否について判断することになりました。

今晩は宿の夕食がとても旨かったです。

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